皆様、こんにちは。木津川ダルク代表の加藤武士です。 この度、「真宗大谷派保護司会会報 第4号(2025年11月発行)」に、私のこれまでの歩みとダルクの活動について寄稿させていただきました。今回はその内容を要約してご紹介します。
- 孤独から始まった薬物への道
私の少年時代は、ありのままの自分でいることが難しい環境にありました。在日朝鮮人であることや家庭環境を理由にいじめを受け、強い孤立感を抱えていました。その孤独を埋めるかのように、高校退学後に出会った大麻をきっかけに、アルコール、市販薬の乱用へと、ずるずると依存の沼にはまっていきました。
結婚し子供を授かっても薬物をやめられず、自殺未遂で精神科病院への入退院を繰り返す日々。絶望の淵にいた私を救ったのは、ダルクで回復を歩む仲間たちとの出会いでした。
- ダルクで学んだ「今日だけ」の生き方
ダルクの仲間は、私を説教することなく、ただ「今日一日をどう生きるか」を背中で見せてくれました。
「今日だけは無理せず、できることをやってみる」
このシンプルな積み重ねが、今の私の回復を支えています。この経験を活かし、2000年から大阪、京都、そして2013年にここ木津川ダルクを立ち上げ、多くの仲間の回復に携わってきました。
- 保護司としての「埋め合わせ」
2019年からは、京都府相楽保護区の保護司としても活動しています。かつて地域社会にかけた迷惑に対する「埋め合わせ」として、また自分自身が薬物を使わない新しい生き方を続けていくための大切な役割として、謙虚に向き合っています。最近ではIT化が進む保護司活動の中で、得意のパソコン操作を活かしてお役に立てるよう努めています。
木津川ダルクの活動紹介
木津川ダルクは、薬物依存症の当事者によって運営される回復施設です。
- 生活の基本:入所を基本とし、仲間と共に規則正しい生活を送ります。
- プログラム:一日3回の「NAミーティング(薬物依存当事者の自助グループ)」を軸に、自立に向けた食事の用意なども自分たちで行います。
- 費用について:多くの方が心配される費用面ですが、実際には生活保護の受給範囲内(月額106,000円〜)で調整が可能です。経済的な不安がある方も、まずはご相談ください。
【木津川ダルクの一日のスケジュール例】
- 09:30 – 10:30:NAミーティング
- 11:00 – 13:00:昼食の準備・食事(いなり寿司などを作ることも!)
- 13:30 – 14:30:NAミーティング
- 15:00 – 16:00:掃除・夕食準備
- 19:00 – 20:00:夜のNAミーティング
おわりに
薬物依存からの回復には、人生のやり直しを支えてくれる地域社会の存在が不可欠です。私はこれからも、一人の回復者として、そして保護司として、謙虚に「今日だけ」の役割を果たし続けていきたいと考えています。
依存症に悩むご本人、そしてご家族の皆様、一人で抱え込まずにダルクの門を叩いてみてください。
木津川ダルク 代表:加藤 武士

