木津川ダルクには、これまでにさまざまな経験を重ね、それぞれのストレングス(強み)を持った利用者がいます。
今回、木津川ダルクの最年長の利用者が、何十年ぶりにハサミとくしを手にしました。
実は彼は、理容師免許を持っています。
長い間、依存症の中で遠ざかっていた「理容」という仕事に、もう一度向き合う時間となりました。
いざカットを始めると、長いブランクを感じさせない手さばき。
その姿からは、これまで培ってきた技術や経験が、決して失われたものではないことを感じさせられました。
本人にとっても、「自分にはこんなことができる」という感覚を取り戻す機会になったのではないでしょうか。
依存症からの回復は、「薬物やアルコールを使わない」ということだけではありません。
素面で過ごす時間を、どのように埋めていくのか。
そして、その中で「自分には何ができるのか」「自分にはどんな役割があるのか」を考え、自分なりの責任や役割を見つけていくことも、回復していく上で大切なことだと考えています。
利用者一人ひとりには、それぞれ異なる経験があり、得意なこと、好きなこと、これまで培ってきた技術や、その人にしかない個性があります。
私たちが大切にしたいのは、
「その人がすでに持っている力を、どう回復につなげていくか」
という視点です。
できないことに目を向けるだけではなく、これまでの人生の中で身につけてきたもの、本人が持っている力や可能性を一緒に見つけ、それを新たな役割や自信につなげていく。
木津川ダルクでは、エンパワメントアプローチの視点を大切にし、一人ひとりが自分の力を取り戻し、その力を回復のために活かしていけるような支援を行ってまいります。

