こんにちは、依存症のハッシーです。

現在お世話になっている木津川ダルクに来て2021年9月で8年になります。クリーンタイムは7年になります。

僕が、この木津川ダルクに繋がる経緯ですが、幼少期の頃はあまり記憶にはないのですが、母親に手を引っ張られて保育園に通っていたのを覚えています。記憶があるのは小学校あたりからで、低学年の時はあまり勉強をせずゲームに夢中になっていた子供で、高学年になるころには学校でいじめにあっていました。年上の子供から万引きを強要されたり、時には暴力を振るわれて悩んでいた時期もあり、他に誰も相談できる人がいなくて一人で悩んでいました。そのいじめからは小学校卒業と同時に解放されていて、中学校入学から不良仲間というか、悪い仲間とつるむようになっていきました。中学2年生から3年生の頃にタバコを吸うようになって行き、バイクを無免許で乗りまわしたり、問題を起こすようになって行きました。学校の校内放送で何度も相談室に呼び出されたりされていました。そしてこの中学3年生の頃にシンナーという物質を覚えました。

最初は父親が持っていたシンナーを興味本位で家の裏庭で友達と吸うようになったのがシンナーの始まりでした。その頃はシンナーを吸って「楽しい」という感覚があり、依存まではしていなかったように思います。その後、中学校を卒業しましたが、あまり勉強もできず、結局高校受験の前日まで友達と遊んでいました。何とか高校受験には合格し、通い始めたのですが、学校の勉強にはついていくことが出来ず、人間関係もあまり得意ではなかったように思います。結局、高校は半年ぐらいで中退してしまいました。その後は専門学校に通おうと、掛け持ちでアルバイトをしていた時期もあるのですが、途中で挫折してアルバイトも行かなくなってしまいました。その後、建築関係の仕事に就き働き始めるのです。まだ未成年でしたが、社会に出るとアルコールを飲む機会が与えられるようになり、上司と一緒に飲酒することが増えてきました。その頃は大人の仲間入りをした気分になって嬉しくて、どんどんお酒を覚えていった時期でもあります。しかしどんな仕事に就いても長続きはせず、転職を繰り返していました。

18歳になる頃には、運転免許を取得して車を購入し、毎日のように友人とドライブに出かけるようになって行きました。この頃にギャンブルも覚え始めました。ギャンブルはただ座っているだけで楽しいし、お金も手に入るので次第にのめりこんで行ったわけですが、気が付けば、給料日の当日にお金を使い果たしていたりして、常にお金に困っている状況でした。そうこうしているうちに、周囲では彼女が出来たり、結婚したりする同級生が出始め、頭の良い友達は大学に進学したりして行きました。頭が良くない自分、女性に対しても積極的になれない自分に劣等感を感じるようになり、周囲の人間に対して蔑む自分が出てきました。自信がない自分をごまかすためにシンナーを吸い、高揚感を得ていたのもこの頃です。酒とシンナーさえあれば生きていけると思い、どんどんと薬物に溺れていき回数も次第に増えていきました。成人になると、少しは真面目に働き出すのですが酒、シンナーは止まらず使いながら仕事に行っていたのを記憶しています。7、8年勤続していた職場もやがて休みがちになっていき、遅刻・無断欠勤をするようになって行きました。そんな勤務態度だったので、会社からやがて解雇されてしまう事態になりました。

仕事を失ってからというもの、暇と自由な時間ができることになり、「思う存分シンナーが吸えると」思うようになって行き、どんどん飲酒、シンナーの回数が増加していきました。やがて色々な症状が出始めるようになり、手の震え・言語障害・幻覚などに悩まされるようになって行き、ますます仕事ができるような状態ではなくなって行きました。それ以降、十数年もの期間シンナーを吸い続けて、お酒を飲んで過ごしており、薬物を使用していないと日常生活が送れないレベルにまでなって行きました。そんな中、実の兄が若くしてアルコール中毒で亡くなり、「次は自分の番だ」と思うようになって行きました。が、それでもシンナーは止まらず吸い続けていました。見かねた母が病院を手配してくれたのですが、病院嫌いの自分はなかなか治療に繋がろうとしませんでした。最後の方は通報によって実家に何度も警察が来るような状況になっていき、ついには保健所の職員も治療に繋がってもらうため、何度も実家に来るようになって行きましたが、それでも逃げて病院には行きませんでした。でもやがては追い詰められて、精神病院に入院することになって行きました。精神病院では特に問題は起こさなかったので、1クール(3か月間)での退院が出来たのです。その頃に紹介されたのが木津川ダルクという施設でした。繋がり始めの頃は、仲間と思える人も少なくて、回復しているという実感はなかったように思うのですが、長く繋がり続けているうちに仲間も増えていきました。

仲間の中には身体が不自由な人もいますが、悩んだり、苦しんだりしているのは自分だけではないんだ、と思えるようにもなり、五体満足で生まれてきたことに感謝もできるようになって行きました。現在に至るまで、色々なことに気づかされてプログラムに取り組んできましたが、最初は薬物さえ止めていれば問題は無いと思い込んでいました。プログラムが進むにつれ、自分の回復が進むにつれ、次第に考え方は変化していき、問題は自分自身の「生き方」にあるんだということに気づいていきました。この「生き方」を変えて新しい人生を生きていくには、12ステップが必要なんだという事にも気づいていきました。この12ステップを実践していく中で、自分の欠点とか、自分の問題点を改善していく、そのことに目を向けていけるようになりました。木津川ダルクに入寮中に父親がアルツハイマーで亡くなったりと、悲しい出来事が起こりましたが、周囲に仲間が居てくれたので乗り越えてくることが出来たように思います。素面の人生を送るようになって、責任や役割などの緊張感やプレッシャーが邪魔をして日常生活に困難さを感じることがまだまだあるのですが、日々仲間に支えられて生活できているんだなぁ~、と感じています。

現在は不定期ではありますがアルバイトにも行けるようにまで回復し、このアルバイトを始めてから約5年の月日が経過しました。そう思うと身体的には回復をしてきたなぁ~、と実感はしていますが、精神面・スピリチュアル面に関してはまだまだだと感じてもいます。しかし最初は声も小さく、対人関係も不得意で、人の中で生きることもままならなかった自分ですが、木津川ダルクに出会えたおかげで、またたくさんの仲間と知り合うことが出来たおかげで、ここまで回復できたことに非常に感謝しています。この依存症という病気は進行性で、「回復は出来るが治癒はしない病気」と言われています。まだまだ自分自身は回復の途上にある依存症者であり、このプログラムに従った生き方を実践していかないといけませんが、より良い人生を送るため、また今後も回復をし続けていくため仲間の輪の中で過ごしていこうと思っております。施設や自助グループではたくさんの仲間が回復している姿を見せてくれています。

自分自身もそうなれるように、今日一日ベストを尽くし生活していきたいと思っています。最後になりましたが、これからも色々な出来事や困難があるとは思いますが、それを喜びや、感謝の気持ちに変えてクリーンを続けて、乗り越えて行ける自分自身になっていきたいと思います。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

不思議な力

神はその英知により、自分の慈愛の分配役として、このグループの人々を選ばれた。
神は、この不思議な力を運ぶ者を選ぶにあたって、尊敬を集める人々、権力を持つ人々、有名な人々、才能溢れる人々のところへは行かれなかった。
かわりに神は、みすぼらしく、病気で、不運な人々のところを訪れた。
すなわち、飲んだくれのところへ、世の中でもっとも頼りないとされる者のところへとやって来られた。

そして、こう言われた。
わたしは、この計り知れない力を、あなたたちの弱い、力無い手に委ねた。
あなたたちに与えた力は、人々の中で最も教養のある者でさえ、それを拒んだものである。
科学者にでもなく、政治家にでもなく、また妻たちや母親たちにでもなく、
ましてわたしの司祭や牧師たちにでもなく、わたしはあなたたちに、他のアルコホーリックを癒す力を委ねた。

その力を利己的に用いてはならない。その力には重大な責任が伴っているのだ。
無駄にして良い時間など無い。
助力の求めを先延ばしにしてはいけない。
どのケースも同情し過ぎることはない。
困難すぎる努力も、つらすぎる苦労もない。

わたしはその力の適用を、どんな人種にも、どんな教義にも、どんな宗派にも限りはしなかった。だから寛容さを欠いてはならない。

個人的に非難を受けることもあるだろう。
正しく評価されないのが当たり前である。
嘲笑を浴びることも多いだろう。

あなたたちの動機は誤解を受け、反対されることも覚悟しておかなければならない。人々の反対の声は、あなたたちがスピリチュアル(霊的)な完全性へと登る梯子の横木になるのだ。
だが、憶えておいて欲しい。この力を使うにあたって、わたしはあなたたちに、決して出来ないことを命じたりはしないのだということを。

あなたたちが選ばれたのは、特別な才能があったからではない。
だから、もし努力が報いられることがあっても、それを自分たちの優秀の証と考えるのではなく、わたしが贈った力によって成し遂げられたと述べるよう、いつも注意を忘れないようにしなさい。
もしわたしが、この使命を果たすために、教養ある人物を望んだのならば、この力を医師や科学者に委ねただろう。

もしわたしが、雄弁な人物を望んだとしたなら、候補者には事欠かなかったであろう。なぜなら、わたしが人類に授けた能力の中で、もっとも利用しやすいのは言葉なのだから。

もし私が学者を望んだとしたなら、世の中にはあなたたちより優れた人たちがたくさんいる。
あなたたちが選ばれたのは、あなたたちが世の中から見捨てられた者だったからである。あなたたちは、酒飲みとしての長い経験によって、いたるところに居るアルコホーリクの、孤独な心があげる悲痛な叫びに、謙虚に耳を傾けられるようになっているか、これからそうなれるはずだからである。

あなたたちがAAに入った時に、自分が認めたことを、いつも忘れないでいるようにしなさい。自分が無力であり、自分の意思と生き方をわたしの配慮に進んで委ねようとするときにこそ、助けが得られるということを。

無名

嗜好品大麻合法化の流れ

国内の青少年の薬物犯罪は平成の初めころからは劇的に減っている。平成26年頃から若干大麻が増えてきている。
ただ、平成26年までは危険ドラッグが蔓延していたのでそれを考えると平成20年ごろのす水準に戻ったと言えないか。
諸外国の医療用大麻の合法化、嗜好品大麻合法化による影響も受けて増えてはいくだろう。

平成30年犯罪白書より
平成30年犯罪白書より

 

大麻が全く問題がないわけではない。
カナダ政府のデータでは、10人ひとりが大麻依存になるリスクがあり、少年のころから使っていると6人にひとりが大麻依存になるリスクがある。毎日使っていれば、4人にひとりが大麻依存になるリスクがある。
これは日本のアルコール依存リスクより低い。

アルコールやたばこが合法であっても国民の多くは利用しない。それは正しい教育や供給環境を整えれば社会が破綻することもない。

全く使う人がいなければ一番いいが、悪人はいるんだよね。
違法に売る人たちは根絶することは難しい。

違法行為を行う反社会的集団が販売を続けることで、だれかれ構わず売るだろうし、ほかのハードドラッグを売りつけられたり、振り込み詐欺や窃盗など他の犯罪に巻き込まれるリスクもある。

全うな登録販売者に販売させることで、そういった部分クリアできる。税収をそれなりに設定(たばこのように)して、教育や社会保障、依存症対策に回せばいい。
また、広告や販売の規制をしっかり行う。
テレビ、ラジオ、SNS等広告禁止、販売店舗時間の規制、自動販売機の禁止、未成年で入りできない販売店舗のみ(日本のアルコールもそうすればいいのに)などなど

使用者に対しての罰則強化ではなく、登録販売者への罰則、罰金を高い水準で設定すればいい。

今後の違法な大麻使用者が変に増えてしまう事になっていく前に諸外国の失敗や新たな政策から学ぶ必要がある。

薬物政策についての研究から、エビデンスのある政策を!
https://crimrc.ryukoku.ac.jp/

モグラとメモグの夫婦の絆物語~薬物依存症の環境を変えて回復~|更生のための刑事弁護を目指す弁護士西谷裕子のホームページより

薬物を止めようとする人達、薬物を使用しない人達とつながって、 人脈や環境を変えていくことで薬物依存症から回復できた事例

薬物を止めようとする人達、薬物を使用しない人達とつながり、人脈や環境を変えていったことで、自然と薬物依存症からの回復の軌道に乗った57歳男性のモグラさんのケースをご紹介します。

薬物依存症の人が、薬物を断ち切り、回復していくにあたっては、「どんな環境に身をおいて、どんな人達とつながるか」、がとても重要です。

端的にいってしまえば、
薬物を使おうとする人達とつながっていれば、遅かれ早かれ、再犯してしまうでしょう。

逆に、薬物をやめようとする人達、薬物を使用しない人達とつながりを持てば、再使用せずに、回復の軌道に乗りやすくなります。

もし仮に、途中でちょっとスリップしてしまうようなことがあっても、すぐ軌道修正して、また薬物を止め続ける日々へと戻ることができます。

しかし、薬物を使用しようとする人達とつながりを断てないまま、そういう環境に身をおき続けていると、1回再使用してしまったら最後、ぞのままズルズルと薬物を使用し続ける日々に舞い戻ってしまうのです。……….

薬物を止めようとする人達、薬物を使用しない人達とつながって、 人脈や環境を変えていくことで薬物依存症から回復できた事例 ~モグラとメモグの夫婦の絆物語~|更生のための刑事弁護を目指す弁護士西谷裕子のホームページより

生活保護で薬物依存症からの回復支援 ~カズと母さんの奮闘記~|更生のための刑事弁護を目指す弁護士西谷裕子のホームページより

今回は、母と一緒に生活保護を受けていた男性が、覚せい剤使用で逮捕されたけれど、ダルクに入所して回復支援に取り組むことを条件に保釈を受け、保釈中も生活保護の支援を受けて、回復軌道に乗った事例をご紹介します。

辛い過去があって、薬物依存症に陥り、苦しんでいた中で、保釈中も生活保護を受けて、回復軌道に乗っていった画期的なケースなので、是非ご紹介したいと思います。

ちなみに、このケースは「執行猶予中の再犯の事例」の事案で、言い渡された判決は「一部執行猶予判決」でした。

生活保護で薬物依存症からの回復支援 ~カズと母さんの奮闘記~|更生のための刑事弁護を目指す弁護士西谷裕子のホームページより|リンク

 

バンクーバー薬物調査2018年5月 〜マリファナより、お酒に厳しい国の薬物政策〜

はじめに

2018年5月14日(月)から19日(土)まで、カナダ・バンクーバーで開催された「国際薬物政策研究学会(The International Society for the Study of Drug Policy:ISSDP)」に参加しました。わたしたちのチームは、「日本の薬物政策」について、セッション報告をしました。この機会に、先進的な薬物政策を実行しているといわれるバンクーバーの薬物政策の現状と状況を実地調査するため、NGO団体や大学を訪問しました。メンバーは、龍谷大学犯罪学研究センターのデビッド・ブリュースターさん、龍谷大学の石塚伸一さん、立正大学の丸山泰弘さん、弁護士の高橋洋平さん、そして加藤武士です。

以下は、バンクーバー薬物調査の報告です。

 

【準備調査】

2018年5月14日(月)、空港に到着後にサイモンフレザー大学の林佳奈准教授(健康科学部)やICCLR留学中の春日勉教授(神戸学院大学)たちから、カナダやバンクーバーの薬物関連の情報を聞き取り調査しました。日本におけるアルコールと大麻の取り扱いと、カナダでのアルコールと大麻の取り扱いが逆のようです。カナダのほとんどの州では、屋外での飲酒行為も法律で禁じられています。屋外で飲酒をしていた場合、罰金が科せられます。他方、横断歩道で信号待ちをする若者が大麻を吸っていてもお咎めがないという状況は驚きでした。バンクーバーの中心街を歩いていても、大麻の香りが時々漂っています。ところが、ビールを飲みながら歩いている人はいません。

 

【バンクーバー・リカバリークラブ(Vancouver Recovery Club:VRC)】Vancouver Recovery Club , 2775 Sophia St, Vancouver, BC V5T 3L1 カナダ

クラブは、2階建ての大きなビルディングにあります。アルコール依存症や薬物依存からの回復を望む個人に支援サービスを提供する非営利団体です。1983年の創業以来、VRCはバンクーバーでの唯一の24時間利用できるセンターを運営しており、食堂、ゲーム・ルーム、各種12ステップグループのミーティングを早朝から深夜まで週に56回も開いています。また、月1回の無料ヘアカットプログラムの提供や各種イベントなども開いています。年間60ドルの個人会員費とバンク―バー保健機構やコミュニティ開発の助成金、地方ゲーミング協会の助成金などで運営されています。地域のスーパーや小売店からの物資による寄付なども行われているようでした。お話をお聞きしたスタッフは、ボランティア・スタッフでした。スタッフは、すべてボランティのようでした。

 

【バンクーバー・ドラッグコート(Drug Treatment Court of Vancouver:DTCV)】 Provincial Court Of British Columbia – Vancouver Criminal Court, 222 Main St, Vancouver, BC V6A 2S8 カナダ

薬物依存者を支援する専門裁判所です。米国のドラッグコートをモデルにしたDTCVの目的には、①参加者に違法薬物の断薬を達成させ、維持させること、②参加者の肉体的、感情的、精神的健康と福利を向上させること、③参加者の住居、生活スキル、雇用、教育を改善すること、とあります。

コートへの参加は任意です。参加者は、ドラッグコート治療・資源センター(Drug Court Treatment and Resource Center:DCTRC)を通じて、14か月間の集中管理された日帰りプログラムに月曜から金曜まで参加する必要があります。また、無作為の尿検査が行われます。DCTRCは、保護観察官、依存症相談員、医療従事者および雇用援助者による統合チームによって、依存症治療、ヘルスケア、精神医療、住宅、財政援助、ライフスキルトレーニング、教育、レジャー活動など、参加者の複合的ニーズに対応する幅広いサービスを提供されます。このプログラムによって、薬物関連犯罪については、2年間で再犯を最大56%削減したそうです。全体の犯罪再犯率は35%低下しましたが、少なくとも50%の参加者が “重大な” 再犯のリスクがあったそうです。これらのプログラムは、将来の刑事犯罪や刑事司法制度との接触を減らすか、またはなくすことによって、公衆の安全を高め、国民を保護するという最も重要な目的を達成するために役立っています。

 

【インサイト・インジェクションルーム(INSITE)】 Insite Supervised Injection Site, 139 HASTINGS ST E, Vancouver, BC V6A 1N5 カナダ

突然の訪問だったのですが、快くインタビューの時間をとってくださったのは、INSITEのプログラム・コーディネーターのダーウィン・フィッシャー(Darwin Fisher)さんでした。気さくで、フレンドリーなお兄さんでした。

INSITEは、清潔で安全な監督環境で、ドラッグ・ユーザーは、自分の薬を街頭から持ち込み、安全に注射する場を提供しています。同時に、依存、医療、地域サービスにつなげることができます。スタッフは、慢性的に疎外され、非人道的扱いをされたドラッグ・ユーザーと寛容で礼儀正しい関係を作り出しています。

INSITEの利用者は、12名収容の注射室を利用して、看護師や高度介入訓練を受けたスタッフの監督下で自分の薬を注射することができます。利用者は、注射器、無菌調理器、フィルター、水、止血帯などのきれいな注入器具を利用できます。この器具の使用によって、感染症の広がりを軽減するとともに、静脈内の薬物使用者が受けやすい深刻な感染症の数を減らすことができます。注射後、利用者は、ポスト・インジェクションルームに移動します。安全な環境でジュースやコーヒーを飲んだり、スタッフと交流することができます。

INSITEのスタッフは、聞き取り時のエキスパートであり、利用者の話やニーズに耳を傾けて、創傷治療、住居ニーズ、薬物離脱管理やアヘン代替療法などの治療サービスへの紹介など、他のサービスにつなげる役割も果たしています。また、同じ建物の2階には、ONSITE(Onsite Detox&Transitional Housing Program)があり、解毒のためのデトックスフロア(12床)、解毒後に提供される移行住宅フロア(18床)があり、利用相談もできるようになっています。2007年の開業以来、のべ2,500人以上のデトックスプログラムへの参加と1,200人以上の移行期住宅プログラムへの参加がありました。

 

【サイモンフレザー大学サムナー研究グループ(Simon Fraser University Somers Research Group)】 Simon Fraser University Somers Research Group, 8888 University Dr, Burnaby, BC V5A 1S6 カナダ

同大学健康科学部のジュリアン・サムナー(Julian Somers)教授を訪問し、カナダの薬物政策や公衆衛生についてお聞ききました。同教授は、ブルース・K・アレクサンダー教授の「ラットパーク」研究にも関わっておられたそうです。同教授によれば、この研究右派、その後の生理、心理、社会学的研究にも影響与え、窮屈な環境に押し込められた人間は問題解決能力において広い環境に置かれたものより成績が悪いことや刑務所などの受刑者密度が高くなるほど自殺、殺人、病気などの問題発生率が高まることなどの研究に影響を与えました。

同教授自身も、バンクーバーのドラッグ・ユーザーやホームレスへの長期にわたる大規模なコーフォート調査などを行なっています。

 

薬物依存症回復施設ラスト・ドア(LAST DOOR)】 Last Door Recovery Centre, 327 8th St, New Westminster, BC V3M 3R3 カナダ

 

ラスト・ドアは、アルコール・薬物乱用および依存症者にトリートメントプログラムを提供しており14歳から18歳までの男性少年のための入所施設と成人男性のための入所施設において、質の高いプログラムを提供しています。12ステッププログラムをモデルに30年の実績を誇る名門施設です。入所定員は100名。入所施設は、カナダやアメリカ各地に点在しています。利用費は、1日300ドル。行政補助する入寮床も、一定数確保されています。

わたしたちは、昼食に招待され、40名程度の入寮者などと一緒に昼食をとりました。和気あいあいとした雰囲気で、ポジティブな雰囲気を大切にしているのが感じ取れました。

プログラムの中心にはボランティアがいます。彼らは、プログラムの卒業生であり、卒業生の参加によってコミュニティーモデルのプログラムがどれほど効果的であり、十分に機能しているかを知ることができました。この点は、12ステッププログラムにおける相互援助の原則と密接に関連しています。リハビリとピアサポートというアプローチが利用者の日常生活に組み込まれていました。利用者は、自分のペースで聞き、学習し、観察し、問題に関する情報と解決の視点の両方を先輩から得ます。これらの視点と情報から利用者は経験的に問題を解決する自分の能力を高め自尊心を高めていくプログラムになっています。

日本のリカバリ・パレードとよく似た「クリーン&ソーバープラウド(Clean & saver proud)」という大きなイベントが行われているそうです。ダルクととても共通点の多い施設でした。わたしたちダルクの目指す方向と近い施設で、ダルクの将来を見るような組織でした。

 

【バンクーバー地域薬物使用者ネットワーク(Vancouver Area Network of Drug Users:VANDU)】 Vandu,380 E Hastings St, Vancouver, BC V6A 1P4 カナダ

このネットワークの代表のアン・リビングストン(Ann Livingston)さんにお話をうかがいました。突然の連絡と訪問であったにもかかわらず、快く受け入れてくれました。

この組織は、1998年、薬物を使用するさまざまなグループを集めて結成されました。薬物使用者、その家族、および地域社会の生活の改善を推進しています。貧困、人種差別、社会的隔離、過去のトラウマ、精神疾患、その他の社会的不平等の現実が人びとの依存に対する脆弱性を高め、薬物に関連する害を大きくさせている、という認識を出発点として活動しています。ここでも地域社会の関与が犯罪問題や薬物問題の解決に欠かせないとおっしゃっていました。

VANDUは、バンクーバー市民と一緒に、ヘロインやコカインの処方プログラム、利用者の住宅、アクセス可能な効果的なデトックスや、効果的で思いやりのある幅広い研究事業などへの協力、不正薬物使用の有害な影響を最小限に抑えるよう努めています。インジェクションルームのような薬物回復支援より、ドラッグ・ユーザーの生活支援に直接的資金提供をすることを提案しています。資金が提供されると、薬物に使用すると心配する人もいますが、実際は多くの人が、安定した生活とその向上に使うだろうとおっしゃっていました。

 

【学会報告(ISSDP)「日本の薬物政策」セッション】

龍谷大学犯罪学研究センター (CrimRC) 研究員ディビッド・ブルースターさんのコーディネイトでセッションは進められました。

まず、デイビッドさんが「日本における薬物乱用対策の戦略と手法」を報告し、つぎに、高橋さんが「薬物政策と法的諸問題」、石塚さんは「日本における薬物政策の傾向、転換および新たな政策:厳罰、ダイバージョンそれともハームリダクション?」、丸山さんは「日本の薬物政策の新たな動き:処罰に依存しない政策をめざして」でした。

同時間に5つのセッションが併行しておわれており、参加者はあまり多くはありませんでしたが、報告後、参加者と多くの質疑応答とディスカッションが行われ日本の薬物政策とチームの研究活動に関心が寄せられました。ここで知り合った研究者と親しくなり、INSITEなどを一緒に訪問することになりました。

 

【カナダの大麻解禁から学ぶ】

世界的にも大きな関心事になっているバンクーバーの嗜好品の大麻解禁ですが、今回の調査で、解禁の理由のいくつかが見えてきました。ます、①若者が大麻にアクセスできないようにすること、つぎに、②違法大麻市場を健全な市場に置き換えること、そして③大麻に対する製品の品質と安全性を求めて公衆衛生と安全を守ることなどが解禁の理由のようです。

解禁して若者を大麻から守るというのは矛盾しているような気がしますが、よく話を聞くとわかります。違法な市場で売人は若者に効能成分の強いものを売ったりします。安価で安全な大麻を健全な市場で販売することで違法な密売者を排除し、犯罪活動を抑止し軽減させる。さらには、違反者には重い刑を科す。日本のアルコール販売のような形にすることで若者を守ろうとしているようなものと思えば理解できると思います。要するに違法な強い酒を造らせず、アルコール度数の低い物だけを健全な市場で扱うようにするようなものです。

大麻使用を助長させる広告や啓発も禁止されます。若者の40%近くに大麻使用経験がある状況において、薬物犯罪の取り締まりや処罰するための司法への支出や経費を削減し、公衆衛生のための政策を強化して、薬物による健康リスクを縮減させ、人びとにこの政策の理念を伝えて、薬物使用の健康の啓発に努める。日本のタバコやアルコールのように、市場を厳格に管理し、国民を物質による被害から守るという政策に似ています。

カナダでは、大麻使用者が国民の50%半数と言われるほど薬物使用が蔓延しています。5日本でも毎日飲酒する人は40%ぐらいでしょうか。機会飲酒を含めると、もっと高い数値になるでしょう。

多くの大麻が処罰からの政策変更をされている国では、30〜40%近い大麻の使用者・経験者となったあたりを臨界点に、政策を刑罰から公衆衛生へと転換するようです。実際、合法となったから全国民が使用し社会が破綻するようなことは起きていません。日本では大麻使用経験率が1.2%と言われていますから、現時点での合法化はすべきではないでしょう。しかし、今のうちから公衆衛生における政策転換を行わなければ、結局のところ犯罪者を多く作り出す、そのデメリットが使用者を増やしていくことになるのでしょう。いずれ政策転換をする日が来るのなら今からゆっくりと段階的に政策変更をすべきだと考えます。

今回の調査は、薬物問題の認識や今後の取り組みにとってとても有意義な示唆を与えてくれました。これからも、世界の最新の薬物政策を学び日本の薬物依存問題の解決のために活動していきます。引き続きご支援のほどよろしくお願い致します。

加藤 武士

 

覚せい剤の再犯者を減らすには!

覚せい剤事件の再犯率が65%超えると言われているが、それを下げるためには本人の取り組みも必要だが、薬物を必要としない生き方を支援する仕組みが地域社会になければ下げることはできない。

一度使えば薬物乱用者、依存者、犯罪者とうレッテルを張り排除すれば再犯率は上がる。

罰を与え刑務所へ入れても再犯率を下げるのには効果的な方法ではないという事です。

薬物を必要としない生き方には健康で文化的で安心できるつながりが必要です。

協力的な地域、家族、友人、職場、学校、趣味、ボランタリーな活動の場、信仰、夢、目標、生きがい、やりがいなどなど。

現在、法務省の刑務所処遇を中心とした矯正関係経費だけで、年間2319億円の予算です。(平成28年度予算についてより)

単純に経費(2319億円)÷ 受刑者数(5万人)だと受刑者一人に450万円程度の費用が掛かっているという事ですよね。これも税金なわけです。

生活保護受けて障害福祉サービスを使ってダルクに入所しても年間同じぐらいの金額になると思う。障害福祉サービスを使わない、木津川ダルクだともっと安くつくわけです。

同じ税金を使うなら効果のある施策を行う方が良いと思うのですがね。

刑務所で使わない人間になって帰ってくるわけではないのですから。

幼児期の外傷が生涯にわたって健康にどのように影響するか

子供の頃の外傷は、あなたが成長するにつれてあなたが乗り越えるものではありません。小児科医ナディーン・バーク・ハリスは、精神的健康や薬物乱用の問題を抱えている虐待、放置、父母の繰り返しのストレスは、脳の発達に実際に目に見える効果があると説明しています。これは生涯にわたって広がり、高レベルの外傷を経験した人は心臓病や肺がんのリスクの3倍になります。外傷の予防と治療に直面する小児科医のための熱心な嘆願、頭上。

このビデオはTEDMEDによって作成されました。TEDの編集者は、ホームページで私たちの毎日の選択の中でそれを特集しました。

松本班・嶋根班 合同研究成果報告会に参加してきました。

平成29年度厚生労働科学研究費補助金 合同研究成果報告会に参加してきました。

松本先生の刑に一部猶予制度における薬物依存者地域支援に関する政策研究では「Voice Bridges Project」(声の架け橋プロジェクト)では、おせっかいな支援を実践。

といっても実にシンプルだが効果がある。

それは、自殺未遂者に対する介入研究よりヒント得たとのことです。

緊急搬送されてきた自殺未遂者に年に3~4回程度短い定型文の手紙を出すだけで、3年以内の再企図率や自殺死亡死亡率を優位に低減させるとのことでした。

ずいぶん前に松本先生に緊急搬送されてくる薬物の過剰摂取や覚せい剤の急性期などの患者さんに、依存症理解や回復に関する情報提供はできないものかなどお話ししていましたが、少し形が違いますが救急搬時の治療や対応に変化が起きたのはうれしいことです。

私たちの経験からもプログラムから離れてしまった仲間に連絡のつく仲間にはたま~に連絡を入れたりしているとプログラムに戻ってきたりすることがありました。そんな経験からもこの「Voice Bridges Project」(声の架け橋プロジェクト)は効果が期待されます。

もう一つ嶋根班のダルク利用者のコホート調査(追っかけ調査)の報告では、ダルクに入所している利用者の断薬の高さに会場より一様のおどろきがあった。何せ入所6ヶ月の断薬率が88%、1年後でも76%が断薬を継続しているという数字。

会場からは、「驚異的だ」、「ダルクを出てからの数値が肝心」、「比較出来る調査はあるのか」など、ちょっとその効果の高さやデータに嫉妬したり、受け入れたくない気持ちがあるのか、素直にダルクで起きている薬物依存者の断薬に対する評価する声が少なかったのは残念です。

また、断薬を優位にする条件として、ダルク利用者間の仲の良さや、スタッフとの関係が良好かなどがありました。

そらそうだろうな。取り組めるプログラムとその参加者との関係性が継続率や回復に大きく起因しているということですね。

もっともらしいワークを権威的上から目線で行っても効果が低いという事なのでしょう。

今後も継続したおっかけ調査を行うことが伝えられ、会場からのリクエストなども受けながらダルクでの支援についてのエビデンスを伝えていただきたいものです。

今日もその追っかけ調査についての意見交換会が行われます。ダルクや回復を望むアディクトにとってより良い研究が行われることを望みます。