ウクレレの音色に包まれて。回復を信じ、共に歩む「繋がり」の再確認

高知ダルク29周年フォーラムが2026年2月16日に開催され、木津川ダルクの仲間4名とスタッフ2名で参加させていただきました。フォーラムでは回復支援のこれまでの歩みと今後の方向性について関係者間で共有が行われました。基調講演、パネルディスカッションおよび各地域からの施設の代表の方々の報告を通じて、「つながり」や地域連携の重要性が改めて確認されました。

結びとして茨城ダルクの岩井喜代仁氏からは、これまでの活動の経過と現在の状況について報告があり、高知ダルク施設長との関係の振り返りが懐かしく語られました。また、故・近藤氏との長年にわたる関わりについても言及がありました。

最後は高知ダルクのメンバーによるウクレレ演奏とコーラスが披露され、あたたかな空気が会場を包み込み終了となりました。

今回参加させていただき回復には「繋がり」が大切だと改めて実感することができました。木津川ダルクは繋がりを大切に、一歩一歩進んでいきたいと思います。

親鸞聖人の教えと12ステップが交差する場所〜真宗大谷派保護司会役員学習会〜

本日、真宗大谷派保護司会役員学習会にて、講師としてお話しさせていただく貴重な機会をいただきました。テーマは「さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし~薬物問題を持つ人の回復支援~」です。

会場には、日々対象者の方々と向き合い、自らのあり方を問い続けておられる保護司の皆様が集まり、私にとっても大きな学びと気づきをいただく、深く濃密な時間となりました。 

「さるべき業縁」と向き合う

講演の冒頭でお話ししたのは、宗祖・親鸞聖人の「さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし」というお言葉です。 

「自分は絶対に悪いことなどしない」と思っていても、縁(条件)さえ整えば、人間はどのような振る舞いもしてしまう。私は、この人間の「弱さ」を認めることから、真の回復が始まると信じています。私自身の薬物依存という過去も、当時の孤独や生きづらさといった「悪い縁」が重なった結果でした。依存症は意志の弱さではなく、耐えがたい現実を生き抜くための「自己治療」でもあったのです。 

12ステップと真宗の教えの親和性

今回、参加者の皆様から特に多くの共感をいただいたのが、「NA(ナルコティクス アノニマス)12ステップ」と「真宗の教え」の共通点です。

無力の実感と自力無功:自分の力ではどうにもならないと「降伏」すること。

他力本願(ハイヤーパワー):自分を超えた大きな力(阿弥陀如来)に身を委ねること。

業の直視:自分のあり方を正直に問い返し、棚卸しをすること。

これらは、依存症からの回復を目指す当事者の歩みと、お念仏に生きる保護司の皆様の精神性が、見事に重なり合う部分でした。

最初の10分、たわいのない雑談の力

講演では、現場での具体的な関わり方についても触れました。私が大切にしているのは、面接の最初の10分、「たわいのない雑談」です。

「昨日何食べた?」「最近どんな感じ?」といった何気ない会話を通じて、「この人には本音を話しても大丈夫だ」という安心感を持ってもらうこと。

補足

この心理的な安全性が、マズローの欲求階層でいう「安全の欲求」を満たし、その後の回復の質を大きく左右します。 

螺旋階段を共に歩む

依存症からの回復は、ゴールのある競争ではありません。一進一退を繰り返しながら、ゆっくりと登っていく「螺旋階段」のようなプロセスです。 

講演後、役員の方から「もっと話を聞きたかった」という温かいお言葉をいただき、胸が熱くなりました。私自身も、2025年12月に断酒断薬30周年という大きな節目を迎えましたが、今なお、さるべき業縁を生きる一人の人間です。

「病気」ではなく「人間」を見る。

これからも、対象者の方と同じ目線に立ち、希望のある環境を共に創造していきたいと、決意を新たにする一日となりました。

ご参加いただいた皆様、素晴らしい「縁」をありがとうございました。

スポーツが教えてくれる「仲間」の大切さ。木津川ダルクの日常

木津川ダルク ソフトバレープログラム

和気あいあいとした雰囲気の中、ソフトバレープログラムを実施しました。
普段はまとまりのない仲間達も、スポーツとなると自然と一致団結し、声を掛け合いながらプレーする姿が印象的でした。

調子の波がある仲間も元気に体を動かし、体育館には笑顔が広がりました。
スポーツの持つ力が、依存症からの回復を支える大切な時間であることを改めて実感しました。

これからも木津川ダルクでは、『健康的な形で素面を楽しむ』ことをモットーにプログラム作りを続けていきます。