平成29年度厚生労働科学研究費補助金 合同研究成果報告会に参加してきました。
松本先生の刑に一部猶予制度における薬物依存者地域支援に関する政策研究では「Voice Bridges Project」(声の架け橋プロジェクト)では、おせっかいな支援を実践。
といっても実にシンプルだが効果がある。
それは、自殺未遂者に対する介入研究よりヒント得たとのことです。
緊急搬送されてきた自殺未遂者に年に3~4回程度短い定型文の手紙を出すだけで、3年以内の再企図率や自殺死亡死亡率を優位に低減させるとのことでした。
ずいぶん前に松本先生に緊急搬送されてくる薬物の過剰摂取や覚せい剤の急性期などの患者さんに、依存症理解や回復に関する情報提供はできないものかなどお話ししていましたが、少し形が違いますが救急搬時の治療や対応に変化が起きたのはうれしいことです。
私たちの経験からもプログラムから離れてしまった仲間に連絡のつく仲間にはたま~に連絡を入れたりしているとプログラムに戻ってきたりすることがありました。そんな経験からもこの「Voice Bridges Project」(声の架け橋プロジェクト)は効果が期待されます。
もう一つ嶋根班のダルク利用者のコホート調査(追っかけ調査)の報告では、ダルクに入所している利用者の断薬の高さに会場より一様のおどろきがあった。何せ入所6ヶ月の断薬率が88%、1年後でも76%が断薬を継続しているという数字。
会場からは、「驚異的だ」、「ダルクを出てからの数値が肝心」、「比較出来る調査はあるのか」など、ちょっとその効果の高さやデータに嫉妬したり、受け入れたくない気持ちがあるのか、素直にダルクで起きている薬物依存者の断薬に対する評価する声が少なかったのは残念です。
また、断薬を優位にする条件として、ダルク利用者間の仲の良さや、スタッフとの関係が良好かなどがありました。
そらそうだろうな。取り組めるプログラムとその参加者との関係性が継続率や回復に大きく起因しているということですね。
もっともらしいワークを権威的上から目線で行っても効果が低いという事なのでしょう。
今後も継続したおっかけ調査を行うことが伝えられ、会場からのリクエストなども受けながらダルクでの支援についてのエビデンスを伝えていただきたいものです。
今日もその追っかけ調査についての意見交換会が行われます。ダルクや回復を望むアディクトにとってより良い研究が行われることを望みます。