全4回
孤立の病 薬物依存症の出口は
覚醒剤など薬物の再犯事件が報じられるたび、「やめる気がない」「手を出したらやめられない」と考えられがちです。依存症のループからは抜け出せないのでしょうか。治療の視点に立つと違った側面が見えてきます。
第1回
薬物依存、7万円で見失った自分 それでも傍聴席で待つ仲間がいた
「ええ天気やで。声出してこ~」京都府木津川市のグラウンドで5月中旬、ソフトボール大会が開かれていた。エラーが続くと、「きょうは覚醒剤打ってないから調子悪いんやろー」。そんな冗談が飛ぶ。ボールを追ってい・・・[続きを読む]
第2回
「薬物をやめる気がない」という誤解 専門医「再使用も含めて回復」
いったんはやめていた違法薬物を、再び使ってしまう。覚醒剤などの再犯事件が起きるたび、「やめる気がない」「一度手を出したらやめられない」とみられがちだ。私たちの体をむしばむ違法薬物。一度、依存症のループ・・・[続きを読む]
第3回
「薬物なくても笑える」 断薬と再使用の5年、見つけた依存症の出口
頭がのけぞり、硬直する。手が震え、思うように物がつかめない。「死ぬかもしれん」制御できない体をもてあましながら、恐怖がこみ上げた。すでに、妻は子どもを連れて出て行った。広くなった部屋で、さんざん大麻を・・・[続きを読む]
第4回
「必要なのは刑罰より治療」 日本の薬物政策の転換を訴える刑法学者
薬物の乱用を防ぐ政策として、日本では取り締まりと刑罰に重点がおかれてきた。しかし、薬物と刑事政策の関係に詳しい園田寿・甲南大名誉教授(刑法)は「刑罰による薬物政策に合理性はあるのか」と疑問を投げかけ、・・・[続きを読む]