『何やねんここ…。ええ奴やん』

私はどうしても薬が止まらずにずるずると使用を続けておりました。今回で覚せい剤事犯は3回目で、今の状況は保釈中の身であります。刑務所には1回行っており、4年間服役して出所して約2年目になるところです。

出た時には地元の友人が出迎えてくれて、もう薬はしないと決め、4年間という無駄な時間を取り戻すために頑張ろうと思いました。そして1週間くらいで好きな仕事ではないですが働きはじめ、薬のない日常を送っていたのですが、昔の売人仲間から『もう一回やってみいひんか?』と誘いがありました。
その時はすごく悩みましたが、女性とのトラブルもあって売人と再使用してしまいました。

半年が経ち所持と使用で捕まってしまったのです。
関係者から名前が出てガサ入れにあって留置所行きです。そして起訴されました。何とかこの状態から出たくて、木津川ダルクに行くことを条件に保釈を認めてもらい入所することになるのです。

施設に到着したのが夜の10時頃でした。そして仲間と挨拶を交わした時に『何やねん。ここ変な奴ばっかやんけ』と思いました。でものちにその仲間とも心が通じ合うことになるので
す。個人個人と話していくうちに『えー奴やん』と思ったり、相談し合える仲間になっていくのです。

ダルクでのプログラムは1日2回のミーティングとNAとい
う自助グループのミーティングです。計3回のミーティングをする事になるのです。そこには自分の事を吐き出す事、人の話を聞く事で分かちあっていく大切なものがありました。

今までそういうことを言えることって無かったので、誰かに
聞いてもらうことがこんなに素敵な事だとは思いませんでし
た。初めてNAに参加したのが誰かのバースデーで、こんなに薬
を止めていく仲間がいて皆で祝うことで幸せな感情になれるこ
とを知りました。たった1時間のミーティングですが、1時間、1時間半かけて行くことが自分にとって大切なことだと思いました。

木津川ダルクの生活は楽ではありません。施設のことを仲間
で分かち合って、洗濯、掃除、食事作りをやっていき、その中
で回復に繋がっていくように思えています。1つ屋根の下で、皆で生活することは簡単なことではありません。でもそこに互いを思う気持ちや、薬を止めていく仲間との分かち合いは他では中々無いように思います。

私はこの先、刑務所に行くことになるのですが、出所したの
ちに必要なもの、私の新しい生き方であるのは間違いないと
思っています。

そう気付いたことが自分にとって本当に良かったと思ってい
ます。

しのぶ
アパリ東京本部ニュースレターNo.77